公開シンポジウム「人間と昆虫 新たな可能性」
本シンポジウムのテーマは、これからの人と昆虫の関わり方に関する様々な方向性について歴史を振り返りながら未来を展望するという内容です。昆虫からの恩恵は養蚕や養蜂といった有用昆虫を用いた産業はもちろんのこと、様々な昆虫との関わりが我々の日常生活、教育、文化、芸術などにも深い影響を与えています。日本では子どもが捕虫網を持ってセミやトンボ、バッタを追いかける風景がごく普通に見られますが、幼少期の昆虫との関わりが、知的好奇心や科学的思考の発達においても重要な役割を果たしていると考えられます。日本人のノーベル賞受賞者の多くが昆虫少年であったという事実も、いかに昆虫が身近な科学への入口として機能しているかを物語っています。
フロリダ大学のNan-Yao Su博士はシロアリのベイト工法を確立した研究者として有名ですが、日本の文化、歴史と昆虫の関わりについても長年ご研究されています。日本国内で当たり前に思われていることの価値が、諸外国との比較によって見えてきます。大門高明博士にはカイコと人の関わりについて、その歴史を振り返るとともに、ゲノム編集技術などの先端技術によってさらに拡大するカイコの有用性についてご講演いただきます。井内良仁博士には、食品機能科学の観点から「食料としての昆虫」の新たな可能性についてご講演いただきます。小野正人博士には、ミツバチと人類の関わりについて、これまでの歩みと将来への展望という観点からご講演いただきます。
2024年の国際昆虫学会議を日本に招致するためのBidが2020年のフィンランド大会でありますが、それに向けての勢いづけになるようなシンポを目指しています。
- 日時
- 2020年3月15日(火) 13:30~16:30
- 座長
- 松浦 健二 (京都大学)
- 招待講演
- Nan-Yao Su (University of Florida)
A comparison of human perception toward insects between Japanese and Western cultures - 特別講演
- 大門 高明 (京都大学)
人とカイコの関わり、その歴史と未来 - 井内 良仁 (山口大学)
昆虫食の新たな可能性 - 小野 正人 (玉川大学)
生物資源としてのミツバチーその特徴と人類との歩み